第62回放送【京都リビングラジオで紹介】【不眠×漢方】夜眠れない…そんな悩みに。原因別の改善法と漢方でできるサポートとは?

こんにちは、桜井薬品の櫻井です。
少しずつ秋らしい空気になってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?

10月6日に放送されたラジオ番組では、最近とても多くなっている「不眠症」について、漢方的な視点も加えてお話させていただきました。

実際に店頭でも、「寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「眠っても疲れが取れない」…といったご相談が増えています。

特に、今年は夏の暑さが長引いたことで、体力や自律神経に負担がかかり、不眠につながっている方が多い印象です。

今回は、ラジオでお話しした内容を、ブログでもご紹介させていただきます。

不眠の原因はひとつじゃない

一言で「眠れない」といっても、その原因は人によって異なります。

私たちが漢方相談で不眠を考えるとき、大きく分けて3つの原因タイプがあります。

脳が興奮しているタイプ(ストレス型)

  • 仕事や人間関係のストレス
  • コーヒー・紅茶・緑茶などカフェインの摂りすぎ
  • 夜遅くまでスマホ・パソコンを操作

このタイプの方は、「寝つきが悪い」という特徴があります。

現代は、心も脳も忙しくなりがち。ブルーライトの刺激や、「明日〇〇しないと…」という思考のクセが、眠りを妨げてしまいます。

脳の栄養が足りていないタイプ(栄養不足型)

睡眠に必要な「メラトニン」というホルモンを作るためには、
ビタミンB群・鉄・マグネシウム・タンパク質といった栄養素が不可欠です。

特にこんな方は要注意です。

  • 朝食を抜いてしまう方
  • お肉や魚をあまり食べない方
  • 糖質過多で野菜や海藻類が不足している方

このタイプの方は、「眠りが浅い」「途中で何度も起きる」という症状が多く見られます。

神経細胞の弱りによるタイプ(加齢型)

加齢や長年のストレスによって、神経細胞が減少・萎縮すると、
脳の“眠る力”自体が弱ってきてしまいます。

この場合、「朝まで一睡もできない」「夢ばかり見て疲れる」といった、慢性不眠の傾向になります。

特に60代以降の方に多く見られますが、ストレス環境が続いている若い方にも起こることがあります。

それぞれのタイプに合わせた改善法

🌿【タイプ①】ストレスや興奮による不眠

まずは生活習慣の見直しから!

  • カフェインは15時以降控える
  • アルコールはほどほどに
  • スマホやパソコンは寝る1時間前にはオフに(難しい場合はブルーライトカットを)

🛀 寝る前に

  • 軽いストレッチや深呼吸
  • ぬるめのお風呂(38~40℃)に就寝1〜2時間前に入るのも◎
  • 「心配ごとを書き出すだけでも、脳は安心する」という研究もあります

💊 漢方では…

柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

🔹ストレス過多・心配性・神経が高ぶって眠れないタイプに

精神的な緊張が強く、気持ちが高ぶって寝つけない方に用います。
仕事や人間関係のストレスが多い方や、常に頭の中で考え事をしていて「脳が休まらない」状態が続いている方に最適です。

🌙こんな方に:

  • 気分が落ち着かず、ソワソワする
  • 動悸や不安感、胸のつかえ感がある
  • 怒りっぽくなったり、感情の波が大きい
  • 神経が昂ってなかなか寝つけない
  • 寝ても夢ばかり見て熟睡感がない

→ 鎮静・抗ストレス作用がある生薬を含み、交感神経の過剰な緊張を和らげます。

抑肝散(よくかんさん)

🔹怒りっぽい・イライラ・興奮して寝つけないタイプに

もともと**夜泣き・疳の虫(かんのむし)**で有名な処方ですが、大人の「情緒の高ぶり」にもよく使われます。
特に日中イライラしたり、カッとなってしまうことが多く、感情のコントロールが難しい方に。

🌙こんな方に:

  • 些細なことに反応して怒ってしまう
  • 常に緊張している感じがある
  • 神経質でちょっとした刺激に反応してしまう
  • 睡眠中も緊張が抜けず浅い眠り

→ 自律神経のバランスを整え、過敏に反応してしまう脳の緊張を落ち着けてくれます。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

🔹更年期やPMSにともなう精神的ストレスと不眠に

「気(エネルギー)の巡り」が悪くなり、自律神経のバランスを崩している方に。
特に女性に多く見られるホルモンの乱れによる情緒不安定・不眠・のぼせ・冷えなどの症状を伴う場合に適しています。

🌙こんな方に:

  • 更年期の症状(ほてり、イライラ、情緒不安)がある
  • 冷えのぼせがある(足は冷えるが顔はほてる)
  • 疲れているのに寝つけない
  • ストレスがかかるとすぐに眠れなくなる
  • PMSや生理前の不眠がある

→ ストレスとホルモンの乱れを整える「気・血・水」のバランス改善が得意な処方です。

桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

🔹繊細で神経が細やかな方、虚弱体質に向く処方

もともとは体力のない子どもやご高齢の方の「夜泣き・夜驚症」に使われてきた処方。
体質的にエネルギー不足の傾向がある人が、不安や緊張で眠れない場合に適しています。

🌙こんな方に:

  • 夜中に何度も目が覚めてしまう
  • 音や気配に敏感で眠りが浅い
  • 胃腸が弱く、疲れやすい
  • 優しすぎて気を遣いすぎてしまう
  • 夢を多く見て、目覚めが悪い

→ やさしく神経を鎮め、眠りの質を高めてくれます。虚弱体質・高齢者・子どもにも使いやすい処方です。

加味帰脾湯(かみきひとう)

🔹気疲れ・心配しすぎ・体力不足で眠れないタイプに

「心と体の疲れ」が原因で眠れない方に向く処方。
心配性・神経質・気疲れ・エネルギー不足が重なると、眠りの質が落ちやすくなります。

🌙こんな方に:

  • 精神的ストレスが多く、疲れ果てている
  • 寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚める
  • 夢ばかり見て寝た気がしない
  • 食が細く、胃腸も弱い
  • 何をするにも気力が湧かない

→ 「気」と「血」を補いながら、心身を整える処方です。心労が重なった方、虚弱体質で疲れやすい方にぴったり。

  • などが、脳の興奮を落ち着かせるお手伝いになります。

眠気や依存性が出にくく、安心して続けられるのが漢方の良さです。

🍚【タイプ②】栄養不足による不眠

栄養が足りないと、体も脳も眠れません。

  • 肉・魚・卵・大豆製品を1日3回、意識して摂りましょう
     →タンパク質は「毎食」が理想です
  • 豆腐や海藻などにはマグネシウムが豊富
     →毎日の味噌汁がオススメです

「食事で摂れない…」という方は、サプリメントも選択肢のひとつです。
また、ご年配で食欲が落ちている方には「六君子湯」などの漢方で、まずは胃腸を整えるところから始めると良いでしょう。

🧠【タイプ③】神経細胞の機能低下による不眠

このタイプのケアは**“長期戦”**になります。

  • ストレスや加齢は神経細胞を傷つけます
  • でも、神経細胞にも自然治癒力はあります!
     →リハビリでマヒが改善するように、脳も回復できるのです

時間はかかっても、「眠る力」は取り戻せます。
漢方では、脳の血流を改善し、自然治癒力を引き出す処方を使いながら、ゆっくり体質を整えていきます。

不眠で悩んでいる方へ

眠れない夜は、本当に辛いものです。
でもその原因は必ずあり、体からのSOSのサインかもしれません。

まずは生活を見直して、それでも改善しない場合は、ぜひ漢方の力を取り入れてみてください。

症状や体質に合った漢方を選ぶことで、少しずつ、でも着実に、睡眠の質を改善することができます。

ご相談はお気軽にどうぞ

「私にはどのタイプが当てはまるんだろう?」
「漢方ってどれくらい続ければいいの?」
「病院の薬と併用できるの?」

など、不安なことがあれば、LINEや店頭でお気軽にご相談ください。
あなたの眠れる夜を、一緒に取り戻しましょう🌙

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