第59回放送 【京都リビングラジオで紹介】9歳男児のアトピーが劇的改善!漢方と腸活で半年後に見えた変化とは?

先日のラジオ放送では、9歳の男の子のアトピーが、漢方と腸内環境の改善によって、半年かけて見違えるほど良くなっていく様子を、アシスタントの對馬京子さんに実際の写真をご覧いただきながらご紹介いたしました。

今回は、そのラジオでも取り上げた、男の子のアトピー改善の症例について、改めて詳しくご紹介させていただきます。

症例 アレルギー性皮膚炎(アトピー)

9歳の男の子。

2歳の頃からアトピーを発症し、それ以来ずっと皮膚科に通い、ステロイド治療を続けてこられました。ですが、なかなか良くならず、症状が落ち着かないとのことで、お母さまと一緒にご相談にみえられました。

ご来店時には、3種類のステロイドに加え、かゆみ止めのクリームと保湿剤を併用されていましたが、顔やお腹、背中、膝の裏など、全身に炎症が広がり、特に顔の赤みが強く、ジュクジュクと浸潤液も出ている状態でした。きっとつらかったのでしょう。本人の表情も、少し暗く感じられました。

アトピーは皮膚の炎症を伴う病気なので、ステロイドで炎症を抑えるという方法は、確かに理にかなっています。ただ、それでも良くならないことがあるのは、「炎症の原因そのもの」にステロイドが働きかけていないからなのです。

アトピーの根本には、「免疫の過剰な反応」があります。免疫は本来、ウイルスや細菌などの有害なものに反応しますが、アトピーでは、花粉や食べ物などの無害なものにまで反応してしまい、炎症を起こしてしまう。

この男の子も、2歳という免疫がまだ未熟な時期に、何かのきっかけで免疫のバランスが崩れ、それが長く続いたことで、より過敏な状態になってしまっていたようです。炎症が続けば、さらに免疫が乱れ、また炎症が悪化する……そんな悪循環が続いている印象でした。

このような時、炎症を抑えるのと同時に、「免疫を整える」こともとても大切です。

免疫を整える鍵は“腸”にあります。

なぜなら、免疫細胞の約70%は腸に存在しているからです。腸を整えることで、免疫の働きにも良い影響を与えられるのです。

実際、この男の子も便秘気味で、腸内環境は良好とは言えませんでした。そこで、腸の働きを整える漢方薬を、まず取り入れることにしました。

さらに、皮膚の状態を見たときに気になったのが、浸潤液が出るほどのジュクジュクとした炎症。こういった状態は、漢方では「水毒(すいどく)」と呼ばれ、水の巡りが悪くなっているサインと捉えます。そこで、水毒を取り除くための漢方薬も併用することにしました。

もう一つ、重要な要素がありました。

この男の子は、最近長年一緒に暮らしてきた愛犬を亡くしたばかりだったそうです。

きっと、その悲しみがストレスとなり、症状を悪化させていたのでしょう。

アトピーと心のストレスは深く関わっています。

そこで、気持ちを落ち着けるような漢方薬も、少しだけ加えることにしました。

体も心も、まだ発達の途中にある9歳の子ども。正しい方向に導いてあげれば、きっと早く回復に向かうはず。そう思って見守っていました。

そして1ヶ月後。

あんなに赤く、痛々しかった顔の炎症がずいぶん引き、皮膚の状態が明らかに改善していました。おそらく、水毒がうまく取り除かれてきたのでしょう。

2ヶ月目には、顔の赤みがほとんど消え、きれいな肌が見えるように。水毒の漢方薬はこの時点で終了としました。

4ヶ月目には、ステロイドを使わずに過ごせるようになりましたが、アトピー症状は落ち着いたまま。ただ、皮膚に少し乾燥が見られたので、敏感肌用の保湿剤をお使いいただくことにしました。

そして6ヶ月後。

ステロイドを使わなくなってから約3ヶ月が経過しましたが、症状が再発することもなく、安定した状態が続いています。

来店のたびに患部の写真を撮って経過を見ていたのですが、最初は無口だった彼が、今ではカメラの前で笑ったり、少しおどけてみせたり。表情がやわらかくなり、本来の明るさを取り戻したように感じました。

このタイミングで、腸内環境を整える漢方薬を残して、他の薬はすべて終了となりました。

アトピー治療では、単に炎症を抑えるだけではなく、免疫のバランスを整え、皮膚の状態に応じて漢方薬を柔軟に使い分けることが大切です。

正しいケアを続けることで、ステロイドに頼らずとも、元のきれいな肌を取り戻すことができる──そんな希望を、この男の子が見せてくれたように思います。

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