第56回放送 がんと向き合うあなたへ ― 免疫力が支える本当の治療 京都リビングラジオ

京都リビング FM845で毎週月曜日に放送される、「人生サクラ咲く」のコーナーで、「がんと免疫」についてお話させていただきました。その時の話しの内容を少しご紹介いたします。

はじめに:がんと向き合うということ

がんと診断されると、誰もが不安になります。「命」に関わる病気だからこそ、恐怖や悩みは尽きません。
がんの進行、転移、再発。 さらに、抗がん治療にともなう副作用――脱毛、吐き気、倦怠感、食欲低下なども、患者さんにとっては大きな負担となります。
だからこそ私は、がんと向き合う上で「免疫力」の大切さをお伝えしたいのです。


再発・転移の鍵を握る「がん幹細胞」

最近の研究では、「がん幹細胞」という存在が注目されています。これはごく少数であっても再び腫瘍を形成する力を持ち、しかも抗がん剤や放射線も効きづらいため、再発や転移の原因になると考えられています。
つまり、治療で一時的に症状が落ち着いたとしても、根っこにある「がん幹細胞」が残っていれば、またがんが顔を出すリスクがあるということです。
そして今、「がん幹細胞」に特化した治療薬は、まだ確立されていません。


がん幹細胞と戦う力――それが免疫力

そこで鍵となるのが、私たち自身の「免疫力」です。
がん細胞を攻撃するキラーT細胞やNK細胞
、それらの指令を出すヘルパーT細胞などはすべて白血球の仲間です。
そして、これらが元気に働くには「酸素」が不可欠。その酸素を運ぶのが赤血球です。
ところが、抗がん治療は白血球や赤血球にもダメージを与えてしまうことが多く、結果として免疫力が低下し、がん幹細胞の再活動を招くリスクが高まります。


免疫を支える漢方薬の力

ここで注目したいのが、「漢方薬」の力です。
漢方には、白血球や赤血球の働きをサポートする「補血薬」や「補気薬」があり、体調や血液の状態に合わせて処方することで、無理なく免疫力を整えることができます。
「これさえ飲めばOK」という単純な方法ではなく、体質や状態に合わせた処方が、漢方の最大の特長です。だからこそ、がん治療との併用に向いているのです。


治療前・治療中こそ免疫ケアのタイミング

がんと診断された直後、そして治療の前後――これらは免疫を高める大切なタイミングです。
この時期に体調を整えることで、副作用の軽減治療の効果アップにもつながります。
脱毛、倦怠感、食欲不振…体へのダメージが少ないだけで、気持ちにも大きなゆとりが生まれます。


私自身の実感と、皆さまへのメッセージ

私自身、漢方による免疫サポートの力を実感していますし、実際にご相談くださった方々からも
「体調が整ってきた」「気持ちが前向きになった」といったお声をいただいています。
もし今、がん治療に対して不安や辛さを抱えている方がいらっしゃいましたら、どうぞ一人で抱え込まずぜひ一度ご相談ください。
あなたの体に合った方法で、共に免疫力を育てていきましょう。

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