骨密度が増えても“骨が強くなった”とは限りません。
骨粗しょう症のお薬を服用されている方は多くいらっしゃいますが、「骨密度が増えた=骨が強くなった」と思っていませんか?
実は、骨密度が上がっても骨の強さが改善されていない場合があるんです。
骨の強さを決めるのは「骨の質」と「新陳代謝」
骨は、常に新しい骨を作る「骨芽細胞」と、古くなった骨を壊す「破骨細胞」がバランスよく働くことで、健康な状態が保たれています。
このバランスが崩れると、骨がもろくなったり、逆に古い骨が残りすぎて、しなやかさのない“硬いだけの骨”になってしまうことも。
骨粗しょう症の薬の多くは「破骨細胞」の働きを抑えることで骨の分解を防ぎますが、「骨芽細胞」には直接作用しません。
そのため、骨密度は上がっても、それが新しい骨でない可能性があるのです。
歯医者さんで「骨粗しょう症の薬を飲んでいますか?」と聞かれる理由
歯の治療、とくにインプラントや抜歯の際には、顎の骨の状態が重要です。
骨粗しょう症の薬を飲んでいると、顎の骨がもろくなり、治療後に骨が壊死してしまうことがあるため、歯科では事前に必ず確認されるのです。
これはまさに、「骨密度が上がっていても骨の強度が保たれていない」ことのひとつの証拠とも言えるでしょう。
骨の質を保つために本当に大切なこと
骨を本当に強く、しなやかに保つためには、薬だけに頼らず、日々の生活の中で以下のことを心がけることが大切です。
- カルシウムやビタミンD、マグネシウムなどの栄養をしっかり摂る
- ウォーキングや軽い筋トレなど、毎日の適度な運動
- 骨芽細胞を活性化すると言われている「イソフラボン」を取り入れる
特に大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きを持ち、加齢による骨の代謝低下を補ってくれる栄養素として注目されています。
骨粗しょう症の対策は「骨密度を上げること」だけがゴールではありません。
本当に大切なのは、“骨の質”を守り、しなやかで折れにくい骨を維持すること。
日々の食事や生活習慣を見直すことで、薬に頼りすぎず、健康的に骨を育てていきましょう。
気になる方は、体質や食生活に合わせたアドバイスも可能ですので、ぜひお気軽にご相談くださいね。